安倍政権は、野党4党(共産 民進 自由 社民)の反対を押し切り、会期を延長しました。「年金カット法案」は衆議院で強行可決されました。
年金は、原則として物価や賃金の変動に合わせて改訂します。しかし法案が成立すると、物価が上がっているのに年金が削減される場合が出てきます。改悪によって4年後には現行より年金給付水準が1兆円削減されることになります。
○物価が上がり、賃金が下がる場合、現行法では、年金を据え置いています。当然、物価が上がっているので年金を減らすわけにいかないからです。ところが法案では、賃金の下落に合わせて年金額を減らします。
○物価も賃金も下がる場合、現行法は、物価に合わせて年金を減らします。ところが法案では、より低いほうに合わせます。物価より賃金が下がったときは賃金に合わせて年金額を減らします。
○物価・賃金が上がった場合、マクロ経済スライドを発動し、これまで以上に強化し、年金給付額を抑制します。調整率1.2%を物価・賃金の上昇率から差し引きます。仮に物価・賃金が2%上がっても1.2%差し引き年金は0.8%しか増えません。物価・賃金が調整率1.2%を下回るときは、差し引くと年金がマイナスとなるので据え置き。翌年以降に繰り越していきます。調整率を差し引けない年が続いた場合、1.2%、2.4%、3.6%と繰り越し分が積みあがっていきます。
この法案は、年金の「際限ない引き下げの道」なのです。